わんこが現場監督の工務店

「耐震」・「制震」・「IAU免震」

■ 説明 1 = 「耐震」・「制震」・「免震」比較 (1)


建築基準法では震度6弱程度までが無損傷です(下図「免震・耐震の比較」)※。
免震装置、地震波によっては、震度6強~7であっても建物の損傷が無いということもあります。

【免震・耐震の比較】  ※「耐震」の中に「制震」もはいる。

【耐震】
地震という揺れに対して「耐える」ことが目的)

【免震】
建物自体と、それが据わる基礎部分の間に
免震装置と呼ばれるものを仕込み、
揺れを「免れる」ことを目的とした方法

※1 免震の「安全限界」は、上部構造が建築基準法ギリギリの設計の場合は
応答値でC0=1.0のところ。
※2 免震 2400galは、IAU免震建物の実大振動実験の結果に基づく。

 

【変位と計測震度との関係】(正弦波の速度別、継続時間60秒)

現在の気象庁の震度階では、同じ加速度でも、変位の大きい地震ほど、「震度」が下がることがあります(上図「変位と計測震度との関係」)。実質的に震度7のものが6強に、震度6強が6弱に下がる場合がありますので、「震度」だけで説明するのは危険です。すべての免震装置にいえることですが、免震装置ごとに変位量が決まっていますので、免震装置の変位を超える地震まで「無損傷」というわけにはゆきません。

※「免震に関する告示」(平成12 年建設省告示第2009号)で、「免震」が対象とする地震の応答スペクトルが決まっており、地震の範囲が決まっています。それ以上は「無損傷」というわけにはゆきません。ただ、免震装置によって幅があり、「IAU免震」の場合は、他社免震には無い過大変位抑制ダンパーを持っており、それによって免震装置の変位(揺れ幅)を超えないようにしています。また過大変位でなければ「加速度」に対して非常に性能の良い免震装置です。
以上の条件下において、2000年の1号棟から現在までのところ、 IAU免震装置の製品欠陥・故障による、強風、地震(東日本大震災を含む)時の建物被害は、報告されていません

■ 説明 2 = 「耐震」・「制震」・「免震」の比較 (2)


耐震: 地震力が1階にそのまま入り、2階は1階の柱・壁で地震力が増幅します。
制震: 地震力が1階にそのまま入り、2階は1階の柱・壁で地震力が増幅しますが、1階の柱・壁に組み込まれたダンパーで増幅を抑制することを想定していますが、大手ハウスメーカの行なった下記実大実験結果から、戸建てクラスの「制震」では、地震力の低減効果は期待できないということがわかりました。つまり、地震力の低減効果では、耐震≒制震ということです。
免震: 地震力を1階下などに設けられた免震装置でカットします。
耐震≒制震に比べて圧倒的な地震力低減効果が得られます。

 耐震
制震 
免震  

筋かい等により
地震に耐える

 

ダンパーにより
2階の地震力増幅を低減
但し
戸建住宅ではほとんど効果無し
建物と地面を絶縁
耐震≒制震に比べて
圧倒的な地震力低減効果